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東大女子の参加を認めないサークル 東大内に少なくとも3つ

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 東京大学新聞社が実施したアンケート調査により「東大の女子学生の参加を認めない」男女混成のサークルが東大内に少なくとも3つ以上存在することが分かった。アンケート調査の回答を得られなかった団体を含めると、同様のサークル数はさらに多い可能性がある。

(取材・武井風花、福岡龍一郎)

 

 東京大学新聞社は、新入生に配布された新歓用ビラやウェブサイトの情報などで、東大の女子学生(以下、東大女子)を受け入れているかどうか判明しなかった52のサークルに質問票を送付。「東大女子からサークルへの参加可否を尋ねられたら、参加を認めるか?認めないか?」と性別による参加条件をサークル構成員に設けているかどうかを尋ねた。(アンケート実施期間:2018年4月24日~2018年5月1日)

 

 23のサークルから回答を得て、そのうち3つのサークルが「参加を認めない」と回答。3つのサークルは全て、東大の男子学生と他大学の女子学生によって構成されるインカレサークルだった。

 

注:質問票を送信したが、公開されているメールアドレスが有効ではなかったため、調査できなかったサークルが3つある。

 東大女子の参加を認めない理由を尋ねると、サークルAは「私どものサークルでは新歓のビラにも『女子は○○大のみ』からなる(編集注・原文では○○大は大学名)と記載しており、東大女子は参加できないことを明示しています。ただ、なぜ『○○のみ』なのかは私にも不明な点です。東大女子を入れたいと思ったことも実はありました。ただ入れない理由を聞かれたとしても、伝統としか答えられません。インカレとはそういうものでしょう。(中略)それ故、うちのサークルでは東大女子はおりません。お断りです」と回答。サークルBも同様に、「例年そうなっているため」とサークルの伝統や慣習を理由に挙げた。一方、サークルCは「他大の女子が大勢いる中、東大女子が少数いてもなじめなさそう」と、メンバー間で不調和が生まれるリスクを理由に挙げた。

 

 東大女子の参加を認めないサークルが東大内に存在することを、大学はこれまでも問題視してきた。2016年3月には、南風原朝和副学長(当時)が、「残念なことに、学生団体の中には、本学学生が加入を希望しても、性別、国籍、年齢などにより、入会資格等に制限を加えている団体も見受けられるとの報告があります」と懸念を示した上で、サークル運営の自主的な改善を求める文書を公開した。

 

 だが、文書公開から2年がたったアンケート実施時も、東大女子の参加を認めていないサークルは依然、複数存在していた。アンケート調査の回答を得られなかったサークルを含めると、そのような団体はさらに多い可能性がある。

 この問題を受け、東京大学新聞社は当事者である東大女子にもアンケート調査を実施した。学部1年生から修士2年生まで83人の女子学生に「東大女子が入れないサークルにより不利益を被ったことがあるか」などの設問に自由回答方式で回答してもらうと、13人がそれらのサークルから不当な扱いを受けたことがある旨を回答した。その回答の一部は以下の通り。

 

「スポーツ関連のサークルを探していた際に、ほとんどのインカレ系のサークルは東大女子お断りであり、選択肢はわずか数カ所しかなかった。入ったサークルで非常に充実した練習を出来ているが、自由な選択が制限されていたという違和感は残っている」(理Ⅲ・2年)

 

「1年生のときバスケのサークルに入ることを考えていたのですが、女子が入れるサークルとの練習日程が合わなかったため断念しました。他のサークルが東大女子を受け入れてたなら他の曜日に練習するサークルを選ぶこともできたかと思います」(文Ⅲ・2年)

 

「テント列(編集注:諸手続きを終えて帰宅する新入生を勧誘し、テント内でその部活やサークルの説明を行う新歓イベントのこと。ほぼ全ての部活やサークルが駒場キャンパス内一部の道の両側に列をなすようにテントを立てる)の時、東大女子が入れないサークルに差し掛かった瞬間に勧誘が急に止まる。1年生ながら、明らかにそこがいわゆる『東大女子が入れないサークル』だと分かり、上級生のちょっと気まずそうな雰囲気に違和感を覚えた」(文Ⅲ・2年)

 

「フットサルサークルのマネジャーになりたいと思っていたため、サーオリ(編集注:「サークルオリエンテーション」の略。4月初めの2日間、各部活・サークルが駒場キャンパスの各教室にブースを設け、新入生が興味のある部活やサークルを回る形で行われる新歓イベント)でブースに行ったら、東大女子お断りと部屋から出された。上京して間もなく、地方の高校のためあまり情報もない中そんなことになり、泣きそうになった。何で東大女子なのに東大のサークルに入れないのか、と非常に理不尽に思ったし、東大女子が入れないならせめてサーオリに出店しないでほしかった。それを黙認している東京大学も許せなかった」(法・3年)

 

 調査からは、実際に不当な扱いを受けた東大女子が一定数存在することが判明した。全女子学生の人数を勘案すれば、その数は更に多いと推定できる。東大内のサークル環境の不健全さが改めて浮き彫りになる結果となった。

~記者の視点~

 

 私自身、サークルオリエンテーションで、ある団体に「東大女子だから」という理由で遠回しに門前払いされた経験がある。東大生が東大のサークルの説明を聞きに行っただけなのに、なぜあのようなけげんな目で見られる必要があったのだろう、今でも思い出すだけで悔しい。本記事冒頭のアンケート結果を額面通りに受け取れば、東大女子の参加を認めないサークルは数個程度しか存在しないということだが、2年間東大で過ごしてきた身としては、実際はそれ以上〜数十程度存在するというのが偽らざる実感だ。

 

 ただ、参加を認めないサークルばかりを批判することは難しい。そのような団体が存在する背景には、東大内の男女比率の不均衡も要因の一つに挙げられると考えられるからだ。全学生の2割に満たない東大女子が自由にサークル選びができたとしても、一部のサークルに東大女子の参加が偏るのは想像に難くない。その状態が年月をかけて繰り返されることで制度が固定化され「このサークルには東大女子は参加できない・参加させない」と暗黙のルールのようなものがサークル側に形成されてしまったのではないだろうか。東大女子を拒絶する理由としてサークルA・Bは「なぜなのかは分からない。伝統としか答えられない」「例年そうなっているため」と回答したが、その言い分は正当性を有しているとは言い難く、むしろ団体に所属する彼ら自身も、明確な根拠を持たず戸惑っているように取材を通して感じた。

 

 とはいえ、過去のインタビューで社会学、ジェンダー論が専門の瀬地山角教授(総合文化研究科)が指摘しているように、現状によって実害を受けている女子学生が一定数存在する以上、そのようなサークルの存在を無条件に肯定することはできない。なぜ東大女子を拒絶するのか、現在の制度を変えない理由はあるのか。新歓活動が本格化するこの時期に、メンバー同士で改めて新歓の方針を話し合ってみてはいかがだろうか。(武井風花)

 

【関連記事】

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東大のジェンダー問題で東大生にアンケート 「問題は深刻か」の回答に男女差


この記事は、2018年9月4日号の記事を加筆修正したものです。本紙では、他にもオリジナルの記事を掲載しています。

ニュース:新連載:東大女子が入れないサークル① 3団体が参加拒否 伝統などを理由に

ニュース:学習記録自由に共有 安全・安価に活用可能

ニュース:駒場寮OBら 寮自治会の資料を還付請求

ニュース:七大戦 5位に転落

ニュース:宮台投手1軍で初登板 五回途中2失点で勝敗付かず

ニュース:小紙が協賛 「ROOTH2-3-3」がオープン

ニュース:東大女子が入れないサークルの実態は 他団体の活動・印象にも影響

企画:どうなる? 紙の未来 デジタル化の波 紙も進化

企画:駆除すべき? 外来種 三四郎池の生態系を考える

日本というキャンパスで:劉妍(農学生命科学・博士2年)④

研究室散歩@批判哲学:ブレガム・ダルグリーシュ准教授(総合文化研究科)

取材こぼれ話:ブレガム・ダルグリーシュ准教授

東大CINEMA:ペンギン・ハイウェイ

キャンパスガール:三村有希さん(文Ⅱ・2年)

※新聞の購読については、こちらのページへどうぞ。


【受験生応援2019】現役東大生が語る韓国朝鮮語学習

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  3月10日(日)の合格発表後、11日(月)から15日(金)の間に合格者は入学手続きを行います。その際に書類へ記入する外国語によって所属するクラスが決まります。学生生活を大きく左右する要因になる外国語選択に役立つ情報をお伝えします。今回は、実際に履修した現役東大生による韓国朝鮮語の紹介です。


 韓国朝鮮語は、東大の中で履修者が一二を争うほど少ないです。多くの年で文系の場合は、文Ⅰ~Ⅲ合わせて一つのクラスとなります。理Ⅰと理Ⅱ・Ⅲ生は別のクラスになることが多く、私の学年では理Ⅰは25人程度、理Ⅱ・Ⅲは15人程度でした。

 

 クラスの人の特徴としては、「昔韓国に住んでいたことがあったから」「親族に韓国人がいるから」「K-POPが好きだから」など履修する目的がはっきりしている人が多かったですね。わざわざマイナーな言語を選んでいるだけあります。

 

 勉強していて楽しいのは、日常で韓国朝鮮語を使えた時でしょう。隣国なので韓国人留学生が東京に多く、彼らと英語ではなく韓国朝鮮語で会話できるようになると、より勉強が楽しくなると思います。

 

 韓国朝鮮語は、「主語+修飾語+述語」など、単語の順序が日本語と基本的に同じなので学びやすいです。自宅で授業の復習や単語の暗記に努めれば、成績自体は低くても単位を落とすことはあまりありません。

 

 忙しいサークルに所属し、その上アルバイトもしなければならなかった自分にとって、韓国朝鮮語を選んだことは良い選択肢だったと感じています。個人としても勉強しやすい上に、クラスメートが韓国朝鮮語を学ぶことに意欲的なので、彼らに勉強を助けてもらえました。韓国朝鮮語に元から興味がある人の他、取っつきやすい言語を履修したい人にもおすすめの言語だと思います。

(育・3年=当時)

 

※この記事は、2017年公開の東大新聞オンライン記事からの転載です。

【受験生応援2019】あなたに合うのはどの言語? 各クラスの特徴を徹底比較

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 東大では初修外国語でクラスが振り分けられるため、2次試験を終えた受験生にとって、初修外国語の選択は入学後の生活を左右する重要な判断です。そこで今回は、それぞれの言語を選ぶ主要な理由やメリット・デメリット、言語によって異なるクラスの雰囲気などを、履修者の声を基にまとました。各言語の比較を通じて、自分に最も向いていると思う言語を見つけましょう。

 

 

フランス語

 

 まずフランス語について見てみよう。クラスの雰囲気は全体的に落ち着いている。男女比は文系のクラスで概ね2:1となっており、東大では男子が少なめで女子が多めのクラスと言える。フランス語を習得するのが大変と言われることが多いためか、選択するのは真面目な人が多い。実際難易度は、英語との発音の違いが大きい点や活用の暗記が多い点でやや難しいと言える。しかし、勉強すれば単位は取りやすく、優をもらえる可能性も十分ある。そしてフランス語には使う機会が多いという特徴もある。英語に次ぐ国際公用語であるのに加え、フランス語を原語とする文献が多いのでそれらを原語で読むといったことも多いだろう。選択する理由としてはフランス語がおしゃれだからという声がよく聞かれる。

フランス語についてより詳しく知りたい方はこちら

 

ドイツ語

 

 次にドイツ語を見てみよう。ドイツ語クラスは「お堅い」と言われることがあり、実際真面目な人が多い。1クラスの人数は約25人〜約35人と標準的。女子が全体の2割に満たないクラスがある一方で全体の約半数を占めるクラスがあるなど、クラス間で男女比が大きく異なる。難易度については、文法事項を細かく覚える必要があり楽ではない。ただ、数理科学から社会科学までさまざまな分野の古典のうちドイツ語で書かれているものは非常に多いため、ドイツ語を使う機会は多いと言える。ドイツ語を選ぶ理由には、かっこ良さそうだから、文法の厳格さに引かれたから、などがある。

ドイツ語についてより詳しく知りたい方はこちら

 

中国語

 

 中国語については、クラスの雰囲気は落ち着いている。ただ、いわゆる「お堅い」感じの人は少なく、話してみると面白い人が多い。男女比は一般的なクラスで約4:1。難易度は、文構造や語順が英語に似ているところがあることから易しそうに思えるが、発音や簡体字の暗記が多いため実際には普通といったところだろうか。もちろん覚えるべき事項をきちんと覚えておけば高得点が狙える。現在は日本でも中国人観光客や中華料理店の店員など中国語を話す人が多く、使用機会は多いと言える。中国語を選ぶ理由は簡単そう、今後使用機会がさらに増えそうといったものが多い。

中国語についてより詳しく知りたい方はこちら

 

ロシア語

 

 ロシア語はよく変わった人が集まるクラスと言われる。しかし実際には「変人が見たい」といって選択する常識的な人がたくさんおり、結果としてバランスが取れそこまで変わった人ばかりでもない。クラスの人数は理系ロシア語や他の言語が約30〜40人なのに対し、文系だと約60〜70人とかなり多い。言語自体は文字がラテン文字ではない、名詞・形容詞の格変化や動詞の語尾変化が多いなど非常に習得が難しいが、その分成績は甘くつけてくれるので、真面目にやっていれば優上が期待できる。実際に使う機会は日本ではなかなかないが、ロシア料理店を訪れ店員と会話するのもいいだろう。ロシア語を選択する理由は、宇宙工学に興味がある、ロシアの文学・芸術に興味がある、はたまたソ連の歴史や某アニメが好き、などと幅広い。

ロシア語についてより詳しく知りたい方はこちら

 

イタリア語

 

 イタリア語クラスは個性的な人が多い。1クラスの人数は約40人で東大ではやや多い部類に入る。難易度は、発音がrの巻き舌を除きほとんどローマ字読みで済む一方、動詞の活用が山ほどあるため文法が最大のハードルとなり、やや難しいと言える。履修するきっかけは、オペラが好き、イタリアの歴史に興味がある、イタリアのサッカーチームを愛している、など人によってさまざまだが、明確な意思を持って選ぶ人が多い。イタリア語をマスターすると、『神曲』などのルネサンス期の名作や豊かな文化を原語で味わえるという醍醐味がある。

イタリア語についてより詳しく知りたい方はこちら

 

韓国朝鮮語

 

 韓国朝鮮語の履修者は東大で一二を争うほど少なく、1学年に40人程度。多くの場合履修者は、「親族に韓国人がいるから」、「昔韓国に住んでいたことがあるから」などはっきりした理由で韓国朝鮮語を選択する。クラスメートが韓国朝鮮語の学習に意欲的なので、気軽に彼らに質問するなどして勉強を助けてもらうことが可能。難易度は、語順が「主語+修飾語+述語」と基本的に日本語と同じであり、学びやすいと言える。授業の復習や単語の暗記をしておけば単位を落とすことはない。韓国朝鮮語を学んでおくとK-POPや韓流ドラマをもっと楽しめるようになるはずだ。

韓国朝鮮語についてより詳しく知りたい方はこちら

 

スペイン語

 

 最後はスペイン語を見てみよう。クラスには明るく行動力のある人が多い。スペイン語の授業中に先生の冗談で大笑いするなど楽しい雰囲気だが、熱心に勉強する人もおり決して不真面目なクラスではない。文Ⅲには男女比がほぼ1:1となるクラスもあるようだ。難易度については、文法が英語と似ている、発音・アクセントが規則的といったことからやや簡単だと言われる。担当する先生によって若干差があるものの、勉強すれば点数・単位が取れず困ることはない。選択する理由は、「他の言語に比べ新しく覚える事項が少ない」「簡単だという評判を聞いた」などがある。

スペイン語についてより詳しく知りたい方はこちら

 今回は東大の初修外国語7種類を全て見てきました。それぞれの特徴やクラスの雰囲気の違いが見えてきたのではないでしょうか。自分に合った初修外国語を選び、充実した東大生活を迎えましょう。

 

※この記事は、2018年公開の東大新聞オンライン記事からの転載です。

 

【受験生応援2019】

受験生必見! 合格後のスケジュール

失敗から得たものとは? 浪人経験者が明かす本音と東大リベンジのポイント

現役東大生が語るスペイン語学習

現役東大生が語るフランス語学習

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現役東大生が語るイタリア語学習

現役東大生が語る韓国朝鮮語学習

【受験生応援2019】現役東大生が語る!東大生の素顔

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 東大生の実態とは・・・?皆さんは東大生にどのようなイメージをお持ちでしょうか。今回は読者の皆さんからいただいた東大生のイメージに対し、現役東大生が回答し、東大生の実態に迫ります。アンケートへのご協力ありがとうございました!

 

──東大生を一言で表すと?

天才だと思われがちだが意外と普通

→東大生の回答

・そう思う。ぶっ飛んだ人もいるが、真面目にコツコツ勉強する人の方が多い。(理I・1年・男)

・意外と普通。天才というよりも真面目で根気強い人の方が多い。(理I・1年・女)

・理系では、会話の中に学問ネタを織り交ぜるほどの人もいるが、文系ではあまりいない。努力で合格した人がほとんどで、天才は東大内でも尊敬されている。(文Ⅲ・2年・男)

 

 天才はごく一部の人で、真面目にコツコツ努力する人が東大生には多いようです。

 

超人!優秀

→東大生の回答

・分野によって秀でている人はいるが、オールラウンダーは少ない。(文Ⅰ・1年・男)

・理系の上位一割は、授業に余裕なだけではなく先取り学習にも積極的。一方で単位獲得に必死な人も多く、東大生の中でも優秀さの差は激しい。(理I・1年・男)

 

・超人もいるにはいるが、努力家の方が多い。変わっている人はたくさんいる。(理I・1年・女)

・超人はいないが、「努力できる」点で優秀な人はたくさんいる。また、決断力・行動力のある人が多く、その点でも優秀といえる。(文Ⅲ・2年・男)

 

 記者の周りには、合宿の朝食で出たグレープフルーツの断面を見て「モホロビチッチ不連続面だ」と熱く語ってくれた超人もいます(笑)。全体として、東大には個性が爆発した愉快な人がたくさんいる印象です。

 

早口

→東大生の回答

・あまりいない。どちらかというとゴニョゴニョ話す人はいる。(文Ⅰ・1年・男)

・自分自身が小学生の頃から周囲に言われてきている。(理I・1年・男)

・早口で悩む友人がいる。自分もゆっくり落ち着いて話すことを心掛けている。(理I・1年・女)

・早口の人ももちろんいるが多くはない。(文Ⅲ・2年・男)

 

 皆が皆早口というわけではないもよう。早口の人もいるが聞き取れないことはなく、東大生は早口を聞き取る能力が高いのでは、という意見もありました(笑)。記者は耳が遠いこともあり、ぼーっとしているうちに気付くと別の話題が話されていることが多々あります。

 

理屈っぽい

→東大生の回答

・たまにいるが、皆空気を読んで話すので、気難しい人は少ない印象。(文Ⅰ・1年・男)

・周囲に多い。常日頃から「AだからB」の型で話す友人もいる。(理I・1年・男)

・自分の周りには、文系で理屈っぽい人が多い。自分自身もささいなことを論理的に考え、気付いたら熱く議論している(笑)(理I・1年・女)

 

 記者としては、理屈っぽい会話を楽しむ人がたくさんいる印象です。

 

努力できる才能がある

→東大生の回答

・皆、テスト前など危機感を覚えると、すさまじく努力している。(文Ⅰ・1年・男)

・努力対象はさまざまだが、自分の考えのもと主体的に行動し、努力している人が多い。(理I・1年・女)

・勉強に限らず、自分に必要なことに対し当たり前のように努力できる人が多い。ただ、それ以外のことには熱意を注がない人も多く、勉強がどうでもよくなっている人もいる。(文Ⅲ・2年・男)

 

 東大生はポテンシャル的に努力できると回答した人が多かったです。試験が近づくと図書館は激混みになります。東大生のテスト前の「全然やってない」発言ほどあてにならない言葉はないと思います(笑)

 

文武両道

→東大生の回答

・運動能力は全国平均よりは低そう。だが駅伝の近藤選手のようにスポーツ万能の人もいる。(理Ⅰ・1年・男)

・自分もそうだし、高校時代に部活を真剣にやった人は多い。大学生になってからも運動系の部活に励む人はたくさんいる。(理I・1年・女)

・皆が皆文武両道ではなく、運動は平均的な人が多いと思う。運動部に入っていない人が運動しているのはあまり見かけない。(文Ⅲ・2年・男)

 

 高校時代・大学時代ともに人によって運動量は大きく違いそうです。記者の周りには運動嫌いの人が多く、必修の体育の種目決めでは、間違ってもバスケやサッカーなどに配属されないように、卓球やヨガをめぐる決死のじゃんけん大会が繰り広げられていました(笑)

 

──東大生の1日の勉強時間はどのくらい?

読者の皆さんからいただいたイメージの集計結果

1〜3時間:40%

3〜5時間:40%

5〜7時間:20%

→東大生の回答

・Sセメは2〜3時間。Aセメはもっと少ない。(文Ⅰ・1年・男)

・サークルで忙しい日は1時間。暇な日は6時間。平均すると3〜4時間ほど。(理I・1年・男)

・授業期間は2時間ほどだが、長期休みはほぼ勉強しない。(文Ⅲ・2年・男)

 

 平均して2〜3時間が多いもよう。長期休暇に勉強するかは人により二分されそうです。ちなみに記者は全く勉強しない派です(笑)

 

──いつから東大を目指していた?

→東大生の回答

・学年の2分の1弱が東大に進学する高校だったので、特に理由もなく進学を決心。いつからかは不明。(理I・1年・男)

・高校2年生の秋。高校のクラスメイトと同じタイミングだったように思う。(理I・1年・女)

・高1の夏。周囲は高2、高3が多く、それ以前はあまり聞かない。(文Ⅲ・2年・男)

 

 高校で目指し始める人が多いようです。

 

──東大生の休日のイメージは?

家に引きこもる・アニメ鑑賞・読書・図書館にこもる・ツイートする・寝ている

→東大生の回答

・基本寝ている。映画や美術館に行くこともある。(文Ⅰ・1年・男)

・勉強したり、時々ツイッターもしたり。近所を散歩したり走ったりもする。(理I・1年・男)

・友達と予定がないときは、自分の好きな勉強をしたり、好きな本を読んだりしている。(理I・1年・女)

・Youtubeを見たりスマブラをしたりして引きこもっている。夕飯は友達と食べに出かけることが多い。(文Ⅲ・2年・男)

 

 勉強したり読書をしたりする人も多いものの、映画や旅行など好きなことを思い思いに楽しんでいる様子です。

 

──東大生はどのような悩みを抱えている?

人間関係・恋愛

→東大生の回答

・人間関係や恋愛も普通に悩む。(理I・1年・女)

・険悪な人がいる訳ではないが、友達ができないといった悩みは多い。恋愛難民は多く、飲み会では1〜2時間この話題でもつ(笑)(文Ⅲ・2年・男)

 

 記者の周りにも恋バナ好きな人がたくさんいます。特に女子会ではその話題で持ちきりです。

 

周囲からの期待とのギャップへの悩み

→東大生の回答

・関わる相手が東大生のことが多いので、周囲からの期待は特に感じない。バイト先に東大生は自分だけだが、周囲から特別視されて悩んだことはない。(理I・1年・女)

・気にしない人も多いが自分は気にしてしまう。「東大生は努力できる凡人」イメージが広まってくれたら楽なのに…(文Ⅲ・2年・男)

 

 環境の差、個人差によって、周囲の期待が重荷になることもあるようです。

 

→その他東大生の悩み

・最近は時間が足りないことが悩み。(理I・1年・女)

・サークル・アルバイト・自習時間の確保が大変。(理I・1年・男)

・入学時は友達ができるか、優秀な仲間についていけるか不安だった。今は進学振り分けが心配。(文Ⅰ・1年・男)

・研究者志望だったが、研究の厳しさを目の当たりにし、就職に切り替えようかと進路に迷い中。どこで働きたいかを見失っている。(文Ⅲ・2年・男)

 

 時間のやりくりや、進路に悩みを抱く人が多いようです。

 東大生の実態を少しはお伝えできたでしょうか。東大には、天才や努力家などの尊敬できる人や、個性豊かで面白い人がたくさんいます。春から東大に入学する人は、東大での素敵な出会いを楽しみにしていてくださいね!

 

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【受験生応援2019】新生活の準備を万全に! 寮暮らし・一人暮らしの方へアドバイス

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 合格発表から一夜が明けました。晴れて入試を突破された皆さん、本当におめでとうございます。新生活の足音が近づくこの季節、合格者の皆さんの中にはこれから始まる寮暮らしや一人暮らしに不安を抱えている方もいるのではないでしょうか? そこで今回は、寮暮らしや一人暮らしをしている学生に、家事や人間関係など生活のコツを聞きました!

 

新生活を始める上で不安だったこと、その解決策

 

寮暮らし

 

「初めての東京でいきなり一人暮らしすることの負担を考慮し、朝食・夕食付きの東大生用学生寮に入りました。なので、生活面での不安はほとんどありませんでした。周りの人と仲良くなれるかは少し不安でしたが、最初の自己紹介や諸手続きについての相談などを通じて普通になじめました」

 

「不安だったことの一つに、健全な金銭感覚でいられるか、がありました。親の家計をやりくりする方法や、自分と似た生活モデルの人のやり方を参考にしています」

 

「ご飯が付いている寮は、献立や栄養バランスを考えるストレスがなくて済みます。自炊することにわずかでもストレスを感じる人は、ご飯付きの寮を選ぶのも良いと思います」

 

 

一人暮らし

 

「食事の準備など、今までほとんど人任せでやってきたことを自分でこなすことができるのか不安でした。合格してからはひたすら実家で料理の特訓を母や姉から受けていました。とはいえ、一人暮らしで毎日自炊するのはかなり大変ですし、大学の生協食堂を利用すればバランスの取れた食事を取れます。無理に自炊しなくても大丈夫です」

 

「後期課程への進学を機に本郷周辺で一人暮らしを始めました。生活が忙しくなる不安はあったので、疲れた日は自炊せずにお惣菜や外食、パスタなど簡単に作れる料理で済ませて、適度に力を抜いて過ごすことを心掛けました」

 

「朝ちゃんと起きられるかが一番の不安でした。1限の授業に出席しないことでその不安を根本から解消しました(まねしないでください、笑)」

 

「基本的な家事をきちんとこなすことができるかがとても心配でした。食事に関しては、平日は生協食堂を利用し、休日はなるべく自炊するようにしています。汁物や煮物などを一度にたくさん作って冷蔵庫に保存しておくと便利でしょう。掃除と洗濯は、授業が少ない日にまとめてやっています」

 

 どの学生も、自分にとって負担が少なくなるように工夫することを意識しているようです。家事や新しい人間関係など心配なことはいろいろあるかと思いますが、あまり気負わず、自分のペースに合わせた生活スタイルを築くと良いでしょう。

 

寮暮らし・一人暮らしをする中で良かったと思うこと

 

寮暮らし

 

「食事・お金・生活リズムを自己管理する必要がある一方、実家暮らしよりもお金の使い方を自由に決められます。また、寮の仲間とは履修する科目を相談したり勉強を教えあったりと、日頃から協力しています」

 

「自炊や掃除をしなくて済むことで、授業やサークル活動など大学生活に注力できます。また一定程度人との関わりが発生するので、寮の中で緩く人間関係を築くことができます。他にも、食事の時間が決まっており、他人の目もあるので生活がある程度規則正しくなります。ただし食事の時間や門限が設定されている分生活リズムに制約が生じることがあるので、自由に生活スタイルを築きたい人は各寮の制限や義務を吟味するのが良いでしょう」

 

「寮によりけりだと思いますが、寮内の友達と話せるのは良いことです。先輩の生活や進路もより身近に観察することができます」

 

 

一人暮らし

 

「マイペースに生活できることです。起きる時間、寝る時間、ご飯を食べる時間が自由になったことは、好きなように生きたい自分にとっては大きなメリットでした」

 

「寮生活と異なり食事の時間や門限が決まっていないため、時間の使い方に融通が利くことです。サークルの用事やコンパなどで帰りが極端に遅くなっても誰にも文句を言われません」

 

 寮暮らしや一人暮らしを始めると、時間やお金などで自分の好きなように使える部分が増えるという感想が多いようです。ただ、寮と一人暮らしでは生活環境にある程度差があるので、自分の思い描く大学生活と照らし合わせながら暮らし方を慎重に検討しましょう。

 

 いかがでしたか?この記事が少しでも皆さんの新生活の準備の支えとなれば幸いです!

 

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【受験生応援連載2019】スムーズな大学生活を! 合格後からの情報源

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 皆さん、こんにちは! 合格した皆さんは新生活に向け準備を始めている頃と思います。大学生活をスムーズに送るのに大切なのが、情報です。大学生になると自分から積極的に情報を集める必要があります。そこで今回は、東大生がよく使うツールとその特徴、実際に利用する学生の声をご紹介します!

 

公式の情報源

 

○前期課程のホームページ

 教養学部前期課程のホームページは、大学側が公式に情報を発信する場として最もメジャーなものです。一部の授業や定期試験、進学選択などに関する情報を得ることができます。入学前からこまめにチェックしましょう。(TLP参加許可者もこのページで発表されます) 

「最新で公式な情報が更新されるので、休講、授業の教室変更、シラバスなどを確認しています」

「前期課程のホームページや東大の公式サイトを読むことで、実用的な情報はもちろんですが、東大で学ぶに当たっての心構えなどにも接しました。どちらも読んでいて気が引き締まり、情報も正確で良かった気がします」

 

○大学生協

 合格後、大学生協から様々な冊子が送られたり、入学準備説明会が開催されます。入学までの流れや手続き、物件、家具家電など幅広い情報を提供してくれます。分からないことがあれば、説明会の場などでサポートスタッフの学生に相談してみましょう。

「入学準備説明会に参加しました。一回話を聞いただけで全てを把握することは難しいですが、全貌を大まかに知ることはできます。生協のサイトも有用です」

「生協学生委員会が発行する、『CKiEx(スキックス)』の新歓号を入学準備説明会でもらいました。学生の使っている東大用語や授業のしくみ、大学周辺のレストランなどが分かります」

 

○UTAS

 合格後、大学の指示で学生全員が登録する個人ページです。このページから履修する授業の登録などを行います。授業や成績関連の情報を確認するときに頻繁に使います。

「試験や時間割を確認するときに利用します。毎日の授業日程や休講情報、試験日程などがまとまって表示されるカレンダーがとても便利です」

 

非公式の情報源

 

○Twitter

 東大生にはTwitterをやっている人が多くいます。公式の情報だけでは見えない東大生や大学生活の実態を垣間見ることができます。東大生だけでなく、大学内の様々な公式・学生組織や団体のアカウントをフォローすると更に有益な情報が得られます。

「情報通の人が詳しい情報を共有してくれるので、試験範囲や進学選択などの情報を集めるのに利用しています。後期課程の様子が伝聞でよく分かるのも利点です」

「東大生をフォローしていると(信ぴょう性はともかく)さまざまな情報が集まりました。生の東大生の声が聞けるという点でSNSは多少は役立ちます」

 

UTaisaku-Web

 主に東大の定期試験の過去問や進学選択の情報が掲載されています。必要に応じて参照すると良いでしょう。

「進学選択、試験の過去問の情報があります。ただ、進学選択の情報は公式より不足したり分かりにくい点があるので注意してください」

 

その他

 

○高校の同期や先輩

 高校同期で東大に合格した人や東大に通う先輩がいる場合は、その人に相談するのも手だと思います。身近に頼れる人がいると、大学生活で安心できることが多いです。人脈は大切にしましょう。

「同じ高校から東大に進学した先輩にLINEで分からないことを相談しました」

「どうしたら良いか全く分からなかったので、一緒に合格した友達に聞いていました」

「初修外国語選択のために、高校の先輩に話を聞いたりしました。同じ高校の先輩に聞いた理由は、一番内部の情報を得られると思ったからです」

 

○学内のビラ・ポスターなど

 教室の壁や掲示板にはたくさんのポスターが貼られています。サークルの勧誘やイベント・講演会などの宣伝が多いです。

「学内外のイベントやシンポジウム、プログラムの情報を集めるときに確認します」

 今回ご紹介したものは、数ある情報源の中の一部です。この記事を参考に、ご自分にとって一番使いやすい情報源を探してみてください!

 

【受験生応援2019】

受験生必見! 合格後のスケジュール

失敗から得たものとは? 浪人経験者が明かす本音と東大リベンジのポイント

現役東大生が語るスペイン語学習

現役東大生が語るフランス語学習

現役東大生が語る中国語学習

現役東大生が語るドイツ語学習

現役東大生が語るロシア語学習

現役東大生が語るイタリア語学習

現役東大生が語る韓国朝鮮語学習

あなたに合うのはどの言語? 各クラスの特徴を徹底比較

現役東大生が語る!東大生の素顔

ゼミ生募集! 自らの頭で考え社会問題の解決目指す「瀧本ゼミ政策分析パート」

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 入試を乗り越えた新入生の皆さんは、4月からの大学生活を思い描いている最中でしょう。勉学、運動会やサークルの活動、アルバイト……いくつもの選択肢を前に、迷い始めた人も多いのではないでしょうか。今回は、社会問題を分析して解決策を立案・実行していく「瀧本ゼミ政策分析パート」に活動内容を寄稿してもらいました。入学後に取り組む活動の参考にしてみてください。

 

写真提供:瀧本ゼミ政策分析パート

 

 瀧本ゼミ政策分析パートは、EBPM(evidence-based policy making=科学的根拠に基づいた政策立案)を理念に掲げ、徹底的なリサーチと専門家へのヒアリングを通して様々な問題解決の手法を考え実行する自主ゼミです。

 

 ゼミには東大に限らずさまざまな大学から学生が集まっており、所属も法・経済・医学部など多様です。各自テーマを決めて調べ、自分の発表日に向けて準備します。テーマは「糖尿病になる確率と座位時間の関係」「離婚のしやすさと離婚率の関係」など多岐にわたります。しかしすでに調べられているものを取り上げる意義は薄いため、「注目されていないが社会的に重要な問題」を見つけ出し、その解決策を考えなければなりません。これがゼミの主眼であり、難しいところでもあります。テーマ決定後は1カ月ほど文献調査をしてスライドを作成し、他のゼミ生へ発表します。議論を深め高い評価を受けた政策は、適切な関係者へ提案を行います。

 

 このゼミを通して卒業後も使える武器は三つあります。まず問題解決能力です。政策立案と聞くと法律や政治の知識が多く要求されると想像されるかもしれませんが、実際に生かせる分野はそれらの他に建築・経済・医学・教育など多岐にわたります。私たちは既存の枠組みにとらわれない思考を重視しており、自らの専門を生かしてバリューを出すことを求めます。このゼミで自ら考え、フィードバックを生かすことができれば、問題解決能力はおのずと身に付くでしょう。

 

 次に、アラムナイを含めた多様で強力なネットワークです。ゼミの卒業生は、それぞれ自分が解くべき課題は何かを考え、ライフミッションを持って行動しています。そのミッションに合う組織を選び、ない場合は起業して作り出す人もいるため、卒業生の進路は多様です。そうした彼らとのネットワークは強固であり、相互に刺激を受け合っています。また政策提案を行った議員とのチャネルも強固にし、その後の政策実現にも生かしています。

 

 最後に挙げるのは、他の学生団体を凌駕する圧倒的実績です。これまでには、千葉県でAED設置基準に関する条例の制定に貢献したり、新生児への保湿剤塗布によるアトピー性皮膚炎予防政策をつくば市で実施したりするなど、多くの実績を挙げています。詳しくは瀧本ゼミ政策分析パートのホームページをご覧ください。

 

 このゼミでは努力すればうまくいくとは限りませんが、自らの頭で考えることを怠らなければ、きっと一生にわたって生かせる力を身に付けることができるでしょう。社会問題の解決に興味があり、論理的に問題分析をすることが好きな方をお待ちしています。

 

寄稿=藤田健司(文Ⅱ・2年)

2020年卒東大生の就職内定率、はや4割 就活時期の前倒し進む

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 東京大学新聞社では、2020年3月卒業見込みの学部生を対象に今年3月1日時点での進路意向を調査した。その結果、就職を希望する学生のうち約4割がすでに企業から内定を得ていることが分かった。内定につながる選考を受けた学生の割合は約6割に上っており、日本経済団体連合会(経団連)の定める就職活動解禁日の時点で選考が進んでいる実態が改めて示された。

(構成・衛藤健、石井達也)

 

就職活動解禁日となる3月1日に本郷キャンパスで行われた合同会社説明会には、多くの学生が訪れた(写真は東京大学キャリアサポート室提供)

 

内定付与について

 民間企業への就職を希望する学生のうち既に内定を得ている割合は42.0%で、さらに全体の17.0%が「すでに就職活動を終えた」と回答。就職活動を継続して行っている学生の83.1%も、経団連が選考開始として定める6月には就職活動を終えるとした。

 

 最初に内定を得た時期として最も多かったのは2019年1〜2月(43.2%)、次いで2018年10〜12月(35.1%)で、それに2018年8月〜9月(13.5%)が続く。2018年7月以前に内定を得た学生も8.1%いた。

 

 コンサルティング・シンクタンク業界の企業からは日系・外資系企業共に多くの学生が内定を付与されており、その割合は内定を得た学生のうち7割を超える。内定付与が最も多かったのは2018年10〜12月で40.7%の割合。その他の時期は29.6%(2019年1〜2月)、18.5%(2018年8〜9月)、11.1%(2018年7月以前)の割合だった。

 

 コンサルティング・シンクタンク業界に次いで、日系企業を中心とするIT・通信業界(約4割)、マスコミ・広告業界(2割弱)から内定を付与された学生が多い。学生からの人気が高い不動産・建設業界やインフラ・交通業界の企業から内定を付与された学生はほとんどいなかった。

 

 

 内定社数の平均は2.1社、中央値は2社だった。

 

 内定を得ていない学生も含む民間企業就職希望者のうち内定につながる選考を受けた割合は64.8%で、多くの企業ですでに選考が進んでいる実態が示された。

 

就職活動の進め方について

 内定をまだ得ていない学生も含め、就職活動の進め方についても調査を行った。

 

 希望する業界を聞くと(複数回答可)、コンサルティング・シンクタンクが39.8%でトップ。これに金融・証券(30.7%)、商社(28.4%)、不動産・建設(26.1%)が続いている。

 

 

 インターンシップや本選考へのエントリーを開始した時期は3年時のSセメスター(2018年4〜7月)が最も多く50.0%、次いで同年時夏休み(2018年8〜9月)が20.5%。2年時以前に就職活動を開始した学生も10.2%おり、民間企業就職希望者のおよそ8割が大学3年時の夏休み以前に就職活動をスタートしていたことが分かった。

 

 就職活動の開始時期が早いほど3月1日時点で内定を得ている割合が高い傾向も見えた。3年時のSセメスター以前に開始した学生はそのうち半数以上がすでに内定を得ているのに対し、夏休み以降に開始した学生の内定率は22.9%にとどまっている。

 

 近年就職活動の一環として広がりを見せるインターンシップに関しても調査を行った。

 

 昨年の夏〜冬に行われたインターンシップへの参加社数は平均3.8社、中央値3社で、今年春に行われたインターンシップへの参加社数は平均1.0社、中央値は0社だった。

 

 さらに、すでに内定を得ている学生とまだ内定を得ていない学生のそれぞれで夏〜冬に行われたインターンシップへの参加社数を見ると、それぞれ5.6社と2.5社で、3月1日時点で内定を得ている学生の方が積極的にインターンシップへの参加を行っていたことが分かった。内定を得ている学生のうち89.2%が「インターンシップは選考につながっていたと思う」と答えており、インターンシップの広がりに伴って就職活動全体が早まっている可能性が高い。

 就活情報サイト「キャリタス就活」を運営するディスコの調査によると、大学生全体の3月1日時点での内定率は13.9%、就職活動を終了したのは全体の1.4%(内定取得者の10.4%)で、東大生の就職活動が一般的な大学生よりも早いことが浮き彫りとなった形だ。

 

大学院・公務員希望者の動向

 調査では大学院進学希望者、公務員希望者も対象にした。

 

 大学院進学希望者の多くは現在所属する学部の大学院への進学を希望していた一方、現在所属する学部ではない東大の大学院、あるいは海外の大学院への進学を希望する学生がそれぞれ一定数いた。並行して就職活動を行っている人は大学院進学希望者全体の11.4%だった。

 

 公務員希望者について見るとほぼ全員が国家公務員志望だったものの、都道府県の地方公務員志望者もわずかながらいた。国家公務員志望者のうち昨年秋の教養区分を受験した人は88.2%だった。

 

 公務員希望者のうち民間企業への就職活動を並行して行っている人は76.5%で、その開始時期は2018年4〜7月、8〜9月、10月〜19年1月、2〜3月の各時期でそれぞれ2〜3割となっており、民間企業就職希望者よりは遅い傾向だった。

 

調査の概要

 2020年3月に東大の学部を卒業する学生を対象に、就職活動の状況を中心とする2020年4月以降の進路意向についてインターネット上で調査を行った。回答総数130、有効回答124。調査期間は3月1〜8日。

 

◯業界の分け方

コンサルティング・シンクタンク、金融・証券、商社、IT・通信、不動産・建設、マスコミ・広告、インフラ・交通、メーカー、流通・小売、サービス、人材・教育

 

キーワード:就職活動に関するルール

 企業の採用活動について定めた自主規制で、説明会の開始を(大学3年時)3月、面接などの選考開始を(大学4年時)6月とする。日本の大手企業1300社以上が加盟する経団連が主導し、2017年入社対象者から現行の日程になっていた。一方で経団連非加盟企業を中心に時期の前倒しが進んでおり、ルールの形骸化が指摘されている。2021年入社対象者からは経団連主導のルールは廃止され、政府が主導する形に変わる見込み。


【東大新聞オンラインPICK UP】〜留学編〜 心機一転のチャレンジを

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 新年度が目前に迫る季節、心機一転して新しいことにチャレンジしたい人も多いだろう。そこで、周囲の環境も一新する手段として留学を考えてはいかがだろうか。今回は過去に東大新聞オンラインで公開した記事の中から「留学」をテーマにしたものを選び、お薦めの記事として紹介する。ぜひ気になる記事は本文を読んでみてほしい。

 

 まず、長期留学を考える前の踏み台として、短期の海外プログラムに参加してみるのもいいだろう。記事「東大の海外プログラム特集 世界に踏み出すきっかけに」では、東大に用意されているさまざまな海外プログラムや、2018年度から新たに導入された国際総合力認定制度について紹介。参加者の体験談からは、プログラムの魅力が伝わってくる。国際総合力認定制度は既存のものに比べて、気軽に国際体験が積めるプログラムだ。

 

(右上から時計回りに)プリンストン大学に留学した船引さん、FLYプログラムでニュージランドに滞在した額田さん、映画留学体験記を執筆した後藤さん、『東大留学生ディオンが見たニッポン』を出版したディオンさん

 

 二つ目は、記事「【蹴られる東大⑦】勉強に対する姿勢の差 東大生は勉強していると胸を張って言えるか」。全学交換留学制度を用いて米国のプリンストン大で学んだ東大OGの船引まどかさんに話を聞いた。東大での学びは浅く広く、プリンストン大での学びは狭く深いといった両大学の違いや、ディスカッション中心で予習復習が必要な授業の内容、留学中の生活について掘り下げている。東大生の勉強に対する意識について考えさせられるとともに、留学の具体的なイメージがつかめるだろう。

 

 記事「東大に代わるアジア大学ランキング首位 シンガポール国立大とはどのような大学なのか」でも同様に、シンガポール国立大の国際性や充実した学習環境を、東大との比較とともに知ることができる。

 

 東大生による留学体験記も豊富だ。額田裕己さんによるFLYプログラムの体験記では、ニュージーランドにおける多様性あふれる語学学校の様子や旅行中の出来事が、美しい大自然の写真とともに描かれている。OGの後藤美波さんによる連載「映画留学記」は、米コロンビア大フィルムスクールに留学する中での映画製作やニューヨークの生活について書いたものだ。連載「パレスチナ留学記」は、現地に行かないと知ることができない、「イスラーム」で一括りにされがちなパレスチナの実情を描いた。サンクトペテルブルク国立大に留学した学生による「ロシア留学記」では、留学を決意した経緯や、ロシア人学生と交わした議論がつづられている。

 

 最後は、シンガポールからPEAK生として東大に留学したディオン・ン・ジェ・ティンさんに話を聞いた記事「『東大留学生ディオンが見たニッポン』のディオンさんに聞く、留学のすすめ」だ。留学先で異文化になじむ秘訣などといった留学に役立つアドバイスとともに、留学を通じて成長したことや世界観の変化、留学の利点について語っている。これを読めば留学の意義が大いに感じられるに違いない。

 

【東大新聞オンラインPICK UP】

【東大新聞オンラインPICK UP】〜恋愛編〜 バレンタインデーに備えて

盲目的な恋が理解できない 哲学的な質問が続々 赤門恋愛相談室

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 東大生からの恋愛相談に対し、医学部健康科学・看護学科(当時)卒で「恋愛結婚学研究所」所長を務め、女性の恋愛・婚活を支援するサイト「愛カツ」を運営する新上幸二さんが答えていく連載「赤門恋愛相談室」。今回は、斜め上からの質問が続出です。

 

━━そもそも恋愛がどのような形で発展していくのかを知りたいです。インターネット上の情報は当てになるか微妙ですし、かといってスタンダールの『恋愛論』を読んだり同級生に聞いたりしても、参考になりませんし(理Ⅱ・1年、男性)

 こればかりは、決まった答えはないとお答えするしかありません。相手が違えば発展の形は違いますし、どのように出会ったかなどの前提条件や、自分の状況にもよります。そもそも他人の言葉はあなたの恋愛の参考にはなりませんよ。あなたが恋だと思ったものが恋です。「考えるな、感じろ」ということですね。

 

━━友人関係だった男性を好きになることが多いのですが、恋人になってからも、照れてしまってなかなかさばさばした空気を壊すことができません。結局相手の男性に女友達と変わらないと思われるのが嫌です。どうしたらいいでしょうか(文・4年、女性)

 友達の関係からお付き合いに発展するパターンは少なくありません。あなたの中で恋人と女友達の違いは何でしょうか? 解決策の一つとして、相手の言葉を聞く役に回ってみては。一般的な話ですが、男性は自慢したい、話を聞いてほしいと思う傾向にあります。一方、友達とは一般に、言いたいことを好き放題に言い合う関係でしょう。そこであえて「そうなんだ」「すごいね」などの相づちを打つことで女友達との違いが出るのではないでしょうか。

 

━━恋愛をしたいというモチベーションがなく、自分のリソースを割く価値を現時点では感じられません。それ故、他の人が盲目的に恋をするという感覚が理解できないのですが、この感覚を解説してもらえませんか?(理Ⅱ・1年、男性)

 人を好きになったことがないということですね。恋の感覚は、瞳孔が開く、居ても立ってもいられないなどといった生理的な反応もありますが、言葉で完全に解説できるものではないというのが正直なところ。脳のスイッチが入るのです。もちろん、恋愛感情が湧かない人も世の中には存在しますが、あなたは今後そういった運命の人と出会うかもしれません。モチベーションは「好きだ!」と思ってから生まれるものです。その時が来るまで待ってみましょう。(談)

※2018年10月のアンケートに基づいています。

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新上 幸(しんじょう こうじ)さん(株式会社TOBE取締役)

2002年医学部健康科学看護学科(当時)卒。IBMビジネスコンサルティングサービスなどを経て、2016年より現職。株式会社TOBE(http://tobe.tokyo/)常務取締役。恋愛・婚活に勝つための情報サイト「愛カツ」(https://aikatu.jp/)初代編集長。恋愛結婚学研究所(https://www.lmri.jp/)所長。ハワイ最大級の結婚相談所「ハワ婚」(https://hawacon.jp/)社長。「愛カツ電話・メール恋愛相談」(https://soudan.aikatu.jp/)にて恋愛相談受付中。

 


この記事は2019年3月19日号からの転載です。本紙では、他にもオリジナル記事を掲載しています。

ニュース:福島の放射線量過小評価か 早野名誉教授らの論文不正疑惑
ニュース:21年度入試 英語力証明書などの様式案発表
ニュース:18年度総長賞 陸上運動部・近藤選手と養・山岸さんに大賞
ニュース:航空で2連覇達成 七大戦 総合首位に浮上
企画:退職教員が贈る 紙上最終講義
企画:大学生の旅行のリアル スマホとSNSの影響は? 目的が明確な旅増加
ミネルヴァの梟―平成と私―:⑩秋入学議論活発化
赤門恋愛相談室:哲学的な質問が続々
キャンパスガイ:三浦勁士さん(文Ⅱ・1年)

※新聞の購読については、こちらのページへどうぞ。

新入生アンケート2019分析① 32.5%が「学生の男女比問題なし」 自民党支持率は低下

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 東京大学新聞社は3月28日・29日、全新入生を対象にアンケートを実施し、新入生3125人の92.0%に当たる2875人から回答を得た。このアンケートは毎年入学の諸手続き時に実施する、新入生を対象にした調査。受験や大学生活、進路への意識や社会問題への賛否などを質問した。今回は主に社会的な質問の回答について傾向を分析する。(本文中の割合は小数第1位を四捨五入)

(構成・湯澤周平)

 

紙の新聞を読む頻度

 

 

 高校生の時、紙の新聞を読む頻度はどれくらいだったか聞いたところ「ほぼ毎日」と答えた人は15%にとどまった。「新聞をとっていたが読んでいなかった」と答えた人は30%、「新聞をとっていなかった」と答えた人は25%を占め、紙の新聞を読んでいない人が紙の新聞を少しでも読んでいる人を上回った。

 

 有効回答数のうち「ほぼ毎日」と答えた人の割合が最も高かったのは理Ⅲで23%。文Ⅰ(22%)、文Ⅲ(20%)、文Ⅱ(13%)、理Ⅱ(12%)、理Ⅰ(11%)の順だった。

 

東大の学生男女比

 

 

 東大の学生男女比が約8:2になっていることについて聞いたところ「問題だと思う」「より多様な視点で議論するために女性を増やすべき」「女性の社会進出に貢献するために女性を増やすべき」「学内で友達を作りやすくするために女性を増やすべき」と答えた人の合計は55%と過半数を占めた。一方で32%の人が「特に問題ではない」と答え、「興味がない」と答えた人は10%だった。

 

 男女別に見ると「特に問題ではない」と答えたのは、男性は有効回答数2313件のうち35%、女性は有効回答数535件のうち25%。「興味がない」と答えた人は有効回答数のうち男性の11%、女性の6%を占めた。

 

支持政党

 

 

 どの政党を支持しているか聞いたところ、昨年に引き続き自民党が21%で最多だが、支持率は昨年に比べ9ポイント低下した。立憲民主党(4%)、日本共産党(1%)が自民党に続き、その他の政党の支持率は全て1%未満という結果に。「支持政党がない」と答えた人は41%と昨年から横ばいだったが、「分からない」と答えた人は昨年から14ポイント増え29%とほぼ倍増した。

 

 科類別に見ると、文科と理科の間で関心に違いが見られる。有効回答数のうち「分からない」と答えた人の合計は文科の各類では2割台前半だが、理科の各類では理Ⅲの39.1%を筆頭に軒並み3割台となった。

 

【新入生アンケート2019】

新入生アンケート2019分析② 入試への施策、賛成派多数 合格に必要なもの「周りの環境」が51.6% 

新入生アンケート2019分析③ 「学業最重視」が72.3% 「エリート意識ある」は3年連続で半数割る

新入生アンケート2019分析④ 民間企業志望者が8ポイント増加 「就活ルール」存廃53%が「興味ない」


この記事は、2019年4月23日号からの転載です。紙面では新入生アンケートの全ての質問に対する回答結果の一覧も掲載しています。他にもオリジナルの記事を掲載しています。

インタビュー:抽象的に考え分厚く勉強 大学で数学を学ぶ意義は 斎藤毅教授(数理科学研究科)
ニュース:硬式野球法大戦 制球難で開幕連敗 2回戦では打線に光明
ニュース:科学研究者意識調査 「特に基礎研究の状況が悪化」
企画:新入生アンケート2019 32%が「男女比問題なし」 入試への施策、賛成派多数
企画:地方出身学生の事情に迫る
企画:クラス役員の実態に迫る 閑職にも意義あり?
企画:新歓の宣伝 Twitter多用 伝達力は疑問
企画:非日常で圧倒的成長 体験活動プログラムの実態と魅力
キャンパスガール:壬生蓮花さん(文Ⅲ・2年)

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新入生アンケート2019分析② 入試への施策、賛成派多数 合格に必要なもの「周りの環境」が51.6% 

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 東京大学新聞社は3月28日・29日、全新入生を対象にアンケートを実施し、新入生3125人の92.0%に当たる2875人から回答を得た。このアンケートは毎年入学の諸手続き時に実施する、新入生を対象にした調査。受験や大学生活、進路への意識や社会問題への賛否などを質問した。今回は新入生の出身地や東大を志望した理由などについて傾向を分析する。(本文中の割合は小数第1位を四捨五入)

(構成・一柳里樹)

 

出身地・出身高校

 

 

 出身高校の区分は、中高一貫の私立が52%、中高一貫でない公立校が29%で昨年とほぼ横ばい。共学校出身者が51%、男子校出身者が39%との結果も昨年と変わりないが、女子校出身者は7%と昨年の8%から微減した。

 

 出身高校の所在地は、東京都の1009人(35%)が最多。以下神奈川県(297人、10%)、兵庫県(146人、5%)と続く。4位の愛知県(141人、5%)、5位の千葉県(135人、5%)までの順位は昨年と同様。関東地方の高校出身者の割合は昨年を1ポイント下回る57%で、近畿地方の高校出身者も昨年を1ポイント下回る12%だった。

 

男女比

 科類別に女子学生比率を見ると、最高は文Ⅲの37%、最低は理Ⅰの10%。残りの科類は女子学生比率が高い方から理Ⅱ(23%)、文Ⅰ(22%)、理Ⅲ(19%)、文Ⅱ(15%)の順で、科類によって男女比に大きなばらつきが見られる。文科全体の女子学生比率は26%、理科は14%と、文理で10ポイント以上の差がついた。

 

 出身地別では、関東地方の高校を出た新入生の女子学生比率は20%、関東地方以外では17%と約3ポイントの差が見られた。アンケート回答者には、福島、山梨、滋賀、鳥取、佐賀の5県の高校出身の女子学生が1人もいなかった。

 

東大入学について

 

 

 東大入学を意識した時期は高校2年が27%で最多。高校1年が26%で続く。高校2年が高校1年を上回ったのは3年ぶり。東大への入学理由は「研究・教育の水準が高いから」が60%と最多で「入学後の進路選択の幅が広いから」(39%)、「将来の進路選択に有利だから」(35%)が続く。

 

 

 実力以外で東大合格に必要なものを聞くと「周りの環境」が52%を占め、46%の「運」、40%の「保護者の経済力」も多い。「実力以外に必要なものはない」は4%にとどまり、「運」と回答した新入生の割合は昨年から3ポイント上昇している。

 

 高大接続研究開発センターが昨年開設した受験生向けサイト「キミの東大」について聞くと、「知らない」が85%を占め、「受験の際利用した」はわずか3%にとどまった。今後の知名度向上が課題となる。

 

入試制度

 

 

 大阪大学・京都大学などでの出題ミスを受け、今年度から出題意図や答えが一義的に決まる問題の解答の公表を開始したことについて尋ねると「適切だ」が59%で、「適切でない」は11%。2020年度入試で東大が英語民間試験の成績提出を必須の出願要件としなかったことにも「適切だ」が64%を占め、「適切でない」は8%にとどまった。入試に対する東大の施策は、概ね新入生に支持されているといえそうだ。

 

【新入生アンケート2019】

新入生アンケート2019分析① 32.5%が「学生の男女比問題なし」 自民党支持率は低下

新入生アンケート2019分析③ 「学業最重視」が72.3% 「エリート意識ある」は3年連続で半数割る

新入生アンケート2019分析④ 民間企業志望者が8ポイント増加 「就活ルール」存廃53%が「興味ない」


この記事は、2019年4月23日号からの転載です。紙面では新入生アンケートの全ての質問に対する回答結果の一覧も掲載しています。他にもオリジナルの記事を掲載しています。

インタビュー:抽象的に考え分厚く勉強 大学で数学を学ぶ意義は 斎藤毅教授(数理科学研究科)
ニュース:硬式野球法大戦 制球難で開幕連敗 2回戦では打線に光明
ニュース:科学研究者意識調査 「特に基礎研究の状況が悪化」
企画:新入生アンケート2019 32%が「男女比問題なし」 入試への施策、賛成派多数
企画:地方出身学生の事情に迫る
企画:クラス役員の実態に迫る 閑職にも意義あり?
企画:新歓の宣伝 Twitter多用 伝達力は疑問
企画:非日常で圧倒的成長 体験活動プログラムの実態と魅力
キャンパスガール:壬生蓮花さん(文Ⅲ・2年)

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「令和」をめぐる考察① 浮かび上がる多様な文脈

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 日本の元号の多くは漢籍を出典としてきた。「令和」も直接の出典こそ『万葉集』とされているが、数々の漢籍の影響を受けている。中国古典詩文を専門とする齋藤希史教授(人文社会系研究科)に「令和」に関連する漢籍について解説してもらった。(寄稿)

 新しい年号が「令和」と定められた。政府は、『万葉集』巻五に載せられた太宰府の大伴旅人邸での梅花宴の序、すなわち「梅花歌卅二首幷序」の「序」を出典とした。まずその全文を挙げておこう。

 

天平二年正月十三日、萃于帥老之宅、申宴会也。
于時、初春令月、気淑風和。梅披鏡前之粉、蘭薫珮後之香。
加以、曙嶺移雲、松掛羅而傾蓋、夕岫結霧、鳥封縠而迷林。庭舞新蝶、空帰故鴈。
於是、蓋天坐地、促膝飛觴。忘言一室之裏、開衿煙霞之外。淡然自放、快然自足。若非翰苑、何以攄情。
詩紀落梅之篇。古今夫何異矣。宜賦園梅、聊成短詠。

 

 本文と句読は、新日本古典文学大系『萬葉集』一(岩波書店、1999)に拠ったが、文体の特徴を見るために、試みに改行を加えて示した。四字句と六字句を主とする対偶表現によって構成される駢文(四六駢儷体)であることが一目でわかる。また、この文章は文字数だけでなく声調も整えられ、「初春令月、気淑風和」であれば、「平平仄仄、仄仄平平」のように音声が配置されている。韻は踏まないが、漢字音で音読して心地よいように工夫され、また、対句によって意味を構築するありかたは、シンメトリカルな建築物にも喩えることができる。こうした文章は、中国大陸においては六朝から唐にかけて発達し、公式の場における文体、規範的な文体として機能した。陳の徐陵が編纂した詩集『玉台新詠』の序はその中でも彫琢を凝らしたものとして知られ、初唐の王勃による序を集めた『王勃詩序』(正倉院蔵)も日本で学ばれた駢文の例として挙げられる。

 

慶長年間(1596~1615)の『万葉集』。左ページ2行目に「初春令月気清風和」の文字が見える(出典:国立国会図書館デジタルコレクション)

 

 一方、ここに集められた32首の歌は、この序に続けて「武都紀多知 波流能吉多良婆 可久斯許曾 烏梅乎々岐都々 多努之岐乎倍米」のように、漢字1字で倭語の1音を示す方式がわずかな例外を除いて採られ、同じ漢字を用いながら、序とは明らかに異なる言語音声が示される。平仮名にすれば「むつきたち はるのきたらば かくしこそ うめををきつつ たのしきをへめ」となるが、もちろん天平2年すなわち西暦730年に平仮名はまだない。つまりここには、漢語による文字世界と倭語の音の世界が漢字表記において交錯している。さらに、歌の主題となっている梅花は、そもそも六朝詩の主題としてよく詠じられるものであり、倭語として記された歌の表現にも六朝ないし初唐詩の表現を意識していることが指摘される。『万葉集』全体に視界を拡げても同様で、言語と表現の複層性はこの歌集の大きな特徴である。中国大陸において形成された文字世界がそれとは異なる世界と接することで生まれた書物だとも言える。

 

 この「梅花歌序」が、王羲之の有名な「蘭亭集序」をふまえていることは、契沖をはじめ諸家の言及するところである。「蘭亭集序」は、永和9年(353)3月3日に会稽の蘭亭で王羲之が宴を催し、そのときの詩を集めて冠された序で、それには晋の石崇が元康6年(296)に洛陽近郊の金谷園で宴を催して詩集を作った時の序、「金谷詩序」が先例としてある。どちらの序も、宴における今の楽しみが離合集散のうちに追憶の対象となることを意識し、であるからこそそれを文字に留めようとして詩とそれを作った人の名を録すると述べる。場を記憶するものとしての詩の役割が示されるのである。「梅花歌序」は「金谷詩序」や「蘭亭集序」の系譜を受けつつ、文体としては王勃「三月上巳祓禊序」(これも「蘭亭集序」の系譜にある)のように形式的に整えられた四六駢儷体で述べることで、六朝から初唐にかけての文体に沿わせようとする。

 

 「金谷詩序」に宴の日の天候は描かれないが、「蘭亭集序」は「是日也、天朗気清、恵風和暢」と記す。好天は宴をことほぐとともに、その移ろいやすさをも含意する。そのことは、王羲之より少し後の謝霊運が、後漢末年に魏国の太子であった曹丕の宴を思い描いて当時の文人たちの詩を擬作し、そこに曹丕になりかわって序を記した中に、「天下良辰美景、賞心楽事、四者難幷」(この天下において暦のよき日と美しい光と、心の通う友と楽しい行事と、この四つが揃うことは難しい)と述べたのと同じ認識である。

 

 曹丕は、彼のもとに集った文人たちと行楽に興じ宴を催して楽しんだが、疫病などで仲間の多くを失い、哀悼して遺文を集に編んだ。その文集は早くに失われたものの、当時の宴集の詩は『文選』などに収められて伝わる。その幸福な宴の詩と曹丕の歎きとのコントラストは、謝霊運のみならず、詩を作る者、読む者の心に刻まれた。石崇が「感性命之不永、懼凋落之無期」(生命が永遠でないことに心動き、いつ死ぬかわからないことを恐れる)と言うのはそれを受けてのことであり、王羲之が「後之攬者、亦將有感於斯文」(後に読む者もまた、この文章に感じるところがあるだろう)と言うのは、繰り返されるそうした感慨そのものの変わらなさに思いを致しているからである。

 

 表現としては、「天朗気清、恵風和暢」の先例として張衡「帰田賦」の「仲春令月、時和気清」を挙げることができる。「梅花歌序」の「初春令月、気淑風和」はそれをふまえていると考えるのが自然だろう。ただ、「帰田賦」は帰郷の願望を述べる中で、一つの理想的な季節として「仲春令月」を設定して「時和気清」と言うのであり、眼前のものの移ろいやすさを写すというよりは古典的な春のイメージを踏襲するものである。賦全体を読んでも、春はあくまで隠逸を象徴する季節であり(それはまた『論語』先進篇にある「浴沂」の故事にさかのぼる)、蘭亭の集いがそれを含みつつも生のはかなさに目を向けるのとはやはり異なっている。むしろ、理想的な情景として描かれたものを眼前のものとし、その移ろいやすさを示すところに「蘭亭集序」の表現は成立するとしてよい。

 

 

 ちなみに王勃「三月上巳祓禊序」において「初春令月、気淑風和」に相当する箇所は「暮春三月、遅遅麗景」であり、「風」ではなく、「景」すなわちひかりが描かれる。「風」と合わせれば「風景」となるが、当時にあってはそれはlandscapeではなく、心地よくも移ろいやすいかぜとひかりの意である。詩はそれを表現する役目を負った。『万葉集』巻十七に載せられた大伴池主の七言律詩「晩春三日遊覧」にも序があり、その冒頭に「上巳名辰、暮春麗景」と述べるのは、「三月上巳祓禊序」をふまえ、またこうした「風景」の感覚を共有するものであった。

 

 年号「令和」の出典とされた「梅花歌序」の当該句は、こうした層を成す文脈に置かれたことばである。もちろん、ことばそのものの特質として、文脈から断片として切り取られ、別の特定の文脈で再利用されるということがある。断章取義とも言う。また、あることばの出典をそれとして名指しすることは、出典とされなかったものを視界から遠ざけ、特定の文脈にのみ目を向けることを促す。

 

 もともと漢字を組み合わせて年号を作ることは、そうしたことばの断片化と再文脈化の最たるものであった。とはいえ、文に即して注意深くことばの来歴を探れば、交わりあうさまざまな文脈を新たに浮かび上がらせることもできる。端なくも新しい年号は、そのことを私たちに気づかせる。

 

齋藤希史教授(さいとう・まれし)(人文社会系研究科)
 91年京都大学大学院博士課程中退。文学修士。総合文化研究科教授などを経て、15年より現職。

19歳が見た欧州自動車の世界:イギリス編

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文・写真 本多詩聞(理科Ⅰ類2年)

 

自動車再発見!

 

 東京大学には、自動車を構想して、完成させて運転するところまでを、すべて学生がこなす、そんなサークルがある。私の所属する東京大学フォーミュラファクトリー(UTFF)だ。

 

 UTFFでは毎年2月に、希望者はヨーロッパ旅行をする。ヨーロッパの自動車関連施設を見学し、ものづくりに対する知見を深める旅だ。私はこれに参加し、イギリスのF1ファクトリー、フランスの飛行機工場、ドイツの自動車博物館、の三つをメインに見学した。

 

アエロスコピア航空博物館にて(フランス・トゥールーズ)

 

 この前後編の記事は、私がヨーロッパで自動車の開発・製造現場を目の当たりにして考えたことを通じて、自動車の魅力を伝えようとするものである。自動車が好きなら、読んで共感してもらえるところも多いだろう。そうでなくとも「こんな世界もあるんだなぁ、自動車って奥が深いなぁ」というふうに、自動車を再発見していただけたらありがたい。また、これから大学を目指す高校生や、何かに打ち込むことを見つけたい大学生の方々に向けて、私がサークル活動で主としている「学生フォーミュラ」の魅力もお伝えしたい。前後編2回の連載にして、ずいぶんと欲張った願いをこめている。
 

学生フォーミュラの魅力

 

 私は東大に入って、課外活動として「学生フォーミュラ」に、積極的に取り組むことにした。これは、学生が自分たちでフォーミュラカーを構想・設計・製作し、「全日本学生フォーミュラ大会」というコンペで性能・設計・プレゼンなどの部門で競う一連のものづくりプロジェクトである。ここでいうフォーミュラカーとは、Formula(定式・決まり)という英単語が指すように、大会側が定める厳格な決まりに従って作られる車両である。詳しくは、東京大学の学生フォーミュラチーム「UTFF」の公式ページをご覧いただきたい。

 

 

 UTFFの魅力の一つは、「速いクルマ」の条件について、最低限の知識が身につくことだ。私が小さいころから触れていた、一部の自動車関連の映像作品・ゲーム・雑誌においては、「速いクルマ」の本質が単純化されていたことに、UTFFで活動する中で気づいた。これらの世界では自動車の優劣は特に「ハイパワー」と「軽量」の二要素で片付けられていることが多い。たしかに、この二つに主眼を置いた自動車のレビューは、車の特徴を伝える上では分かりやすいし、それを否定したいわけでもない。しかし、実際のところ強力なエンジンを積んでいても、そのパワーを路面に伝えなければ速くは走れない。カーボンパーツによる軽量化も、それが些細なものであれば、運転手が痩せた方が効果的だったりする。というように、本当に「速いクルマ」を作るためには、極端にいえば、自動車の構成要素(熱機関・変速機・タイヤ・ブレーキ・サスペンション・ボディ・電子制御など…)全体で考える必要があるのだ。

 

 UTFFのもう一つの大きな醍醐味は、プロの方と共同で自動車をデザインできることだ。現在製作している車両「UTFF18」のボディのデザインは、日産の市販車・コンセプトカーのカーデザインに関わっている、西川満生氏と私のタイアップで行った。世界に1台しかないモデルではあるが、自動車メーカーに比べ圧倒的に少ない人数で1台を作るため、驚くほど自分のやりたいことができてしまうのは、この活動の利点である。

 

 自動車には興味がなくて、ものづくりに興味があるという理由で学生フォーミュラをしている人もいる。そのため、当然ながら人によって、活動するメリットは違う。自分の興味に応じて、プロジェクトに参加している。

 

F1の魅力

 

 題名に「欧州」とあるように、2月8日から2月21日にかけて、ヨーロッパへ旅行に行った。UTFFの一員として参加することで、顧問の草加浩平先生(工学系研究科特任教授)を通じて通常は見学できないところも見せてもらえる、スペシャルな旅行である。前半、イギリスではF1チームの「レーシングポイント」およびF1のパワーユニットを供給するホンダを見学した。後半、フランスでは旅客機メーカーのエアバス社の組み立て工場、およびドイツの各所にある、有名自動車メーカー(BMW・アウディ・ベンツ・ポルシェ)の博物館をめぐった。ここでは前半のイギリスでの見学と、F1好きな親友の話をもとに、F1の魅力をお伝えしたい。

 

レーシングポイントでの1枚

 

 私の一番の親友は、生粋のF1ファン、谷くんである。彼に言わせれば、F1の魅力は「いい歳こいた大人が、ひたすらレースに勝つことを目的に動いていることの面白さ・すがすがしさ」にあるという。正直なところ私はF1に詳しくない。今期はいくつのチームがあって、それぞれドライバーは誰であるとか、歴代マシンの特徴、レースの名場面といった知識には乏しい。とはいえ、そんな私も彼の意見には(何となくだが)同意できる。この魅力は具体的にどのようなことか、自分なりにイギリスでの見学に基づいて考えた。

 

 「いい歳こいた大人」が指すところは、ドライバーだけではなく、チームの構成員全員を含む。ドライバーは、超高速での操縦をこなせる反射神経や、加減速・旋回時の慣性力に耐える強靭な肉体を持たないといけない点で、言うなればアスリートである。このような人たちがレースで勝つことを目標にするのは、F1に限らず、速さを競うスポーツ全般に言えることである。一方、チームの構成員は、オーナー、エンジニア、人事、広報、マネジメントといった、世の中のあらゆるメーカーに存在する職種である。ロンドン郊外のニュータウン・ミルトンケインズに位置するF1チーム「レーシングポイント」を見学した際、オフィス部分ではコンピューターによる設計や解析が行われており、工房部分では部品の製作が行われていた。これらを見ても、姿勢の違いはあるにせよ、やっていることはメーカーと似ているように思えた。しかしながら、このチームの目的は利益ではなく勝利である。勝利に向かって、役職間で緊密な連携をとりつつ、一台のマシンを作るのである。このような、一見した様子と実際の目的意識のギャップには、他のスポーツにはあまりない新鮮さがある。

 

2019年3月9日に、青山で開催されたレッドブル・ショーラン・東京の様子(写真提供:谷拓希くん)

 

 ここまで説明した、谷くんの言うところの魅力も、こう解釈すると「面白さ・すがすがしさ」が見えてきそうだ。ところで、これはファンから見た魅力であるのに対し、実際のところF1を作るチームから見たF1の魅力は何だろうか。同じくミルトンケインズにあるホンダのファクトリーは、パワーユニットをチームに供給するサプライヤーにあたる。そこでチームの方から伺った説明によると、社内に向けては「レースは人材育成の道場」であるという。「レースには必ず本番があって、そこでは決して失敗は許されません」。量産車の開発とも違う、現場の緊張感がレースにはあることで、道場よろしく徹底的にスキルを身につけることができる、とホンダは考えているのだ。さらに、社外に向けては「レースを通じて、顧客から存在を期待される企業であり続ける」という理念を伺った。「顧客の喜び・期待を得ること、それを共有すること、信頼を得ること」に基づいて、顧客(ホンダ車のオーナー)に「うちはF1で優勝したメーカーの車に乗っているんだ」という誇りを持ってもらえたらうれしい、とおっしゃっていた。ホンダをはじめとした各チームは、勝利以外にも独自のモチベーションをF1に見出していることが分かった。

 

F1と学生フォーミュラ

 

 プロのF1と学生フォーミュラを比べるとき、マシンの性能、お金、人材など何から何まで規模・レベルが違うのだが、基本的なプロセスは同じである。要は車を作って競い合うということだ。学生フォーミュラにおける「人材育成の道場」の側面は、車を作る過程での設計ソフトの使い方、旋盤・フライス盤などの工作機械の操作、チームのマネジメント、渉外活動を通じたビジネスマナーなど、たくさんの技法を身につけ、それを社会に出てから還元できるところにある。そして「(いい歳はこいていないが)ひたすらレースに勝つことを目的に動くことの面白さ・すがすがしさ」は、1年間で自分たちの車を構想・設計・製作して走らせるまで、学生同士が連携をとって行動する苦労の先にある。車が完成したとき、あるいは大会で結果を得たときに、学生でもきっと、F1エンジニア級の歓びを得ることができるだろう。

新入生アンケート2019分析③ 「学業最重視」が72.3% 「エリート意識ある」は3年連続で半数割る

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 東京大学新聞社は3月28日・29日、全新入生を対象にアンケートを実施し、新入生3125人の92.0%に当たる2875人から回答を得た。このアンケートは毎年入学の諸手続き時に実施する、新入生を対象にした調査。受験や大学生活、進路への意識や社会問題への賛否などを質問した。今回は大学生活で重視したいことなどについて傾向を分析する。(本文中の割合は小数第1位を四捨五入)

(構成・安保茂)

 

大学生活

 「大学生活で最も重視したいこと」では「学業」が前年より約4ポイント増加の72%で最多。「2番目以降に重視したいこと」は「部活・サークル」(53%)や「アルバイト」(28%)などが多く、「海外留学」は過去3年で最高の15%に。海外留学を「したい」と「ややしたい」と答えた人はそれぞれ32%と37%で、新入生全体の7割近くに上る。

 

 

 教養教育が中心の前期課程(学部1・2年)と専門分野を学ぶ後期課程(学部3・4年)のどちらに期待しているかという質問では、「後期課程」の回答者が29%、「前期課程」が12%に。「両方同じくらい期待している」人は56%いた。

 

奨学金

 奨学金受給予定者はほぼ例年通りの17%。拠出先は日本学生支援機構が最多で新入生全体の12%だ。同機構が全国から抽出した学生を対象に行う学生生活調査によると、受給者は50%前後で推移。東大では全国と比べ受給者の割合が低いことが分かる。

 

 

エリート意識

 「日本の将来を担うエリートだという意識」を持っているか聞くと「持っている」と「少しは持っている」の合計は約48%。3年連続で半数を下回った。科類別では「持っている」と「少しは持っている」の合計が、理Ⅲ(70%)、文Ⅰ(64%)、文Ⅱ(52%)で半数を超えたが、理Ⅱ(45%)、文Ⅲ(45%)、理Ⅰ(44%)で半数以下だった。

 

 

【新入生アンケート2019】

新入生アンケート2019分析① 32.5%が「学生の男女比問題なし」 自民党支持率は低下

新入生アンケート2019分析② 入試への施策、賛成派多数 合格に必要なもの「周りの環境」が51.6% 

新入生アンケート2019分析④ 民間企業志望者が8ポイント増加 「就活ルール」存廃53%が「興味ない」


この記事は、2019年4月23日号からの転載です。紙面では新入生アンケートの全ての質問に対する回答結果の一覧も掲載しています。他にもオリジナルの記事を掲載しています。

インタビュー:抽象的に考え分厚く勉強 大学で数学を学ぶ意義は 斎藤毅教授(数理科学研究科)
ニュース:硬式野球法大戦 制球難で開幕連敗 2回戦では打線に光明
ニュース:科学研究者意識調査 「特に基礎研究の状況が悪化」
企画:新入生アンケート2019 32%が「男女比問題なし」 入試への施策、賛成派多数
企画:地方出身学生の事情に迫る
企画:クラス役員の実態に迫る 閑職にも意義あり?
企画:新歓の宣伝 Twitter多用 伝達力は疑問
企画:非日常で圧倒的成長 体験活動プログラムの実態と魅力
キャンパスガール:壬生蓮花さん(文Ⅲ・2年)

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新入生アンケート2019分析④ 民間企業志望者が8ポイント増加 「就活ルール」存廃53%が「興味ない」

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 東京大学新聞社は3月28日・29日、全新入生を対象にアンケートを実施し、新入生3125人の92.0%に当たる2875人から回答を得た。このアンケートは毎年入学の諸手続き時に実施する、新入生を対象にした調査。受験や大学生活、進路への意識や社会問題への賛否などを質問した。今回は進学選択における希望学部や卒業後の進路などについて傾向を分析する。(本文中の割合は小数第1位を四捨五入)

(構成・安保茂)

 

進学先

 一般入試と外国学校卒業学生特別選考で入学した新入生に、出願時に後期課程の進学先が決まっていたか聞いたところ、「学部まで決まっていた」という回答が41%で最多だった。「学科・専修などまで決まっていた」は15%で前年とほぼ同水準。「全く決まっていなかった」と答えた人は前年比3ポイント減の39%だった。

 

 

 

 進学希望先(推薦入試での入学者は内定している進学先)を尋ねると、文Ⅰの87%が法学部を、文Ⅱの86%が経済学部を希望すると答え、それぞれ前年より2ポイント、4ポイントの低下。文Ⅲでは文学部(41%)と教養学部(18%)など、理Ⅰでは工学部(57%)と理学部(25%)などに希望が分かれた。理Ⅱは昨年農学部が最多だったが、今年は農学部、薬学部、理学部の3学部がほぼ横並びになった。

 

 

 学部・学科選びで重視するものについて、91%の新入生が「自分の興味」を選択し、前年より1ポイント増。「就職の強さ」が21%、「設備」「研究成果」「教員」が9%と続いた。

 

大学院

 大学院進学について、修士・博士課程いずれかに進学したい新入生は49%。「博士課程まで進学したい」人は全体の20%で、昨年比2ポイント微増した。「修士課程まで進学したいが、博士課程に進学するかは分からない」が昨年比3ポイント減の24%、「修士課程まで進学したいが、博士課程には進学したくない」は昨年と同じ5%だった。「大学院に進学したくない」人は13%、「未定、分からない」人は37%いた。

 

 

 科類ごとの大学院進学希望率は、理Ⅰの72%が最高で、理Ⅱの65%が続く。最低は文Ⅱで15%だった。

 

卒業後の進路

 学部卒業後または大学院修了後の希望進路は「民間企業」が前年より8ポイント増の33%で最多。「研究職」(25%)、「公務員」(18%)と続き、「未定」と答えた人は28%に上った。

 

 

 民間企業を希望する新入生の割合が最も高いのは文Ⅱで51%。研究職は理Ⅱの38%が最高で、理Ⅰの37%が続く。公務員は文Ⅰの51%が最高に。文Ⅰの公務員志望者割合が半数を切った前年から8ポイント増加し2年前とほぼ同水準に戻った。

 

「就活ルール」の存廃

 大手企業の採用面接の解禁日などを定めた指針の存廃については、「残すべきだ」が19%、「廃止して良い」が17%だった。一方「興味がない」と答えた人は53%に上った。

 

将来への不安

 将来不安に思うものを尋ねると、最も多く挙がったのは「就職」で41%。「収入」(25%)、「後期課程への進学」(25%)、「結婚」(24%)も比較的多かった。「不安はない」と答えた人は全体の16%で昨年から2ポイント増えた。

 

2019年5月10日13:30【表差し替え】記事内「希望する進学選択先」の表中で「健康総合科学科」の表記に誤りがあったため表を差し替えました。お詫びして訂正いたします。

 

【新入生アンケート2019】

新入生アンケート2019分析① 32.5%が「学生の男女比問題なし」 自民党支持率は低下

新入生アンケート2019分析② 入試への施策、賛成派多数 合格に必要なもの「周りの環境」が51.6% 

新入生アンケート2019分析③ 「学業最重視」が72.3% 「エリート意識ある」は3年連続で半数割る


この記事は、2019年4月23日号からの転載です。紙面では新入生アンケートの全ての質問に対する回答結果の一覧も掲載しています。他にもオリジナルの記事を掲載しています。

インタビュー:抽象的に考え分厚く勉強 大学で数学を学ぶ意義は 斎藤毅教授(数理科学研究科)
ニュース:硬式野球法大戦 制球難で開幕連敗 2回戦では打線に光明
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企画:新入生アンケート2019 32%が「男女比問題なし」 入試への施策、賛成派多数
企画:地方出身学生の事情に迫る
企画:クラス役員の実態に迫る 閑職にも意義あり?
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秋田の民俗芸能・根子番楽 伝統の意味は「根源」ではなく「経過」

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 「身近な言葉の歴史を考える 『迷惑』と『文化』に潜む政治性」では「文化」という言葉の意味の変遷を扱ったが、分量の関係上扱いきれなかった言葉がある。「伝統」という言葉もまた、原義とは異なり、現代の用法においては民族主義的な価値を帯びる点で、「文化」とよく似た意味の変遷を経ているのだ。本記事では根子番楽(ねっこばんがく)という秋田県にある集落の民俗芸能を通じて、「伝統」とは何であったかを考える。

(取材・円光門)

 

 秋田県北秋田市阿仁根子。国道105号笑内地区から根子地区へつながる道路へ、途中全長500メートルほどの細いトンネルを抜けると、四方を山で囲まれた、人口約130人、58世帯の根子集落が現れる。この村には2004年に国重要無形民俗文化財指定を受けた根子番楽という民俗芸能が代々伝わっている。

 

トンネルを抜けた先の根子集落の風景 撮影:船橋陽馬(根子写真館)

 

 番楽とはかつて山伏によって伝えられた「神楽」の一種とされており、太鼓、横笛、かね、板といった囃子と、謡、舞によって構成される。この形式が古くから伝えられているゆえんであると云われており、実際鑑賞すると子どもたちの演舞が中心となっている印象を受ける。

 

 長い間根子住民のみで上演されてきた根子番楽。しかし25年ほど前から子どもたちの通う阿仁中学校で居住地区の伝統芸能について学ぶ取組みとして「ふるさと学習」が始まったことで、根子以外の子どもたちも番楽の舞手、将来の囃子の担い手として受け入れられるように。「根子以外の参加者に対する違和感がなくなったのはこの頃からと思う」と話すのは根子番楽保存会の事務局を務める佐藤敏文さん。「少子化という現実の中、根子以外の子を受け入れる計画はそれまでもありましたが、我々が彼らを違和感なく迎えられたのは近隣の中学校の取組みがきっかけだと思っています」

 

 現在、根子番楽に携わる人々は学業や仕事の傍ら週1の稽古を行い、公演の依頼があれば年に数回は根子以外でも公演をする。彼らは伝統芸能に関わることをどのように捉えているのか。根子の魅力に触れて数年前に移住した写真家の船橋陽馬さんは「根子の若者に聞いてみると、彼らが今番楽をやっているのは子どもの時に舞を見てかっこいいと思ったからで、特に『番楽を残したいから』と考えているわけではないのです」と話す。「多くの人が番楽のルーツにこだわらないのも、ルーツなど知らなくても番楽は続くからです」

 

 伝統芸能の伝承にこだわりを見せない姿勢は、根子番楽保存会事務局の佐藤さんにも共通する。「別に伝承にこだわった保存活動をすることはないと思う。根子にいるから番楽をする、番楽があるから根子にいる。ただただそういう状況であってほしいです」

 

根子トンネル 撮影:船橋陽馬(根子写真館)

 

 伝統というと、人々は何かとそこに独占的な価値を置きがちで、そのルーツの「正統性」は常に熱狂的な論争にさらされがちだ。だが「伝統」は元々「血筋を伝えること」を意味する。英語のtraditionも「引き渡す」という意のラテン語が元になっており、そこにあるのは価値ある「根源」よりも、伝えるという「経過」だ。「かっこいいと思ったから」「根子に住んでいるから」という思いで番楽を黙々と続ける根子の人々は、「伝統」の元来の意味を体現しているのかもしれない。


この記事は、2019年4月2日号からの転載です。本紙では、他にもオリジナル記事を掲載しています。

インタビュー:東大に閉じこもるな 平成の暮れ、元総長が望むこれからの学生像 小宮山宏さん、濱田純一名誉教授
ニュース:五神総長「多様性を活力とした協働を」 18年度卒業式・学位記授与式
ニュース:日本学士院賞 東大関係者5人が受賞
ニュース:ヒトは地磁気に反応 第六感の解明に道
ニュース:水素の運搬に必要な物質を安価に製造
ニュース:起業の超初期を支援する施設開設 FoundX
企画:すばる望遠鏡で迫る 129億年前の宇宙の旅
企画:秋田の民俗芸能・根子番楽 ルーツ知らずとも継承される音色
企画:正解なき分野で生み出す新たな価値 人気上昇中?グラフィックデザインの魅力とは
推薦の素顔:小野寺改主さん(文Ⅲ・2年→養)
東大新聞オンラインPICKUP:留学編
キャンパスガール:大槻春歌さん(文Ⅲ・2年)

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「令和」をめぐる考察② 歴史の審判を待つ

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 「令和」という元号は、史上初めて、日本の古典が出典となった。今回の元号の制定過程や、制定者の意図については、日本史の観点ではどのように考えられるのか。近世朝廷史を専門とする村和明准教授(人文社会系研究科)に読み解いてもらった。(寄稿)

 元号が「令和」に改まった。正式に発表された典拠は『万葉集』であり、史上はじめて日本列島で作られた書物から選ぶという、従来の慣例を変更する大転換がなされた。

 

 歴史学の視点からは、新元号の制定における手続き、実質的な決定過程、そこに働いた力学と理念、新元号が与える印象・効果がいかに予想され、実際どうであったか、そこで現在と過去との関係がいかに議論されたのか、などが問題である。しかし現時点では発表・報道されている限られた情報しか材料がない。本コラムでは、とくにこの元号の出典選定がもつ意図について、あれこれと想像をめぐらせてみる、ということにしたい。

 

 典拠となった個所は、日本のうたではなく、漢文で付けられた歌会の序文である。この序文は、東京大学新聞で齋藤希史教授(人文社会系研究科)が詳しく説かれているように、書道史の頂点として名高い王羲之の「蘭亭序」を、さらには張衡の「帰田賦」を、前提として踏まえている。前者は『古文真宝』、後者は『文選』という、日本でも古くから愛された古典的なアンソロジーに入っている。とくに『文選』であれば、なじみぶかい元禄・慶応をはじめ江戸時代だけでも六つの元号の典拠となっており、従来通りの至極ありふれた出典ということになるのだが、『文選』でなく『万葉集』を典拠として発表したのだから、中国古典を典拠としない、という表向きのメッセージは明瞭である。もともと古代に年号を独自に定めたこと自体が、中国皇帝の時間支配に服さないという当時の意思表明であり、中国の古典に長く依拠してきたのは、西欧におけるギリシャ・ローマの古典のように、普遍的な価値の源泉と理解してきたためという面が大きいと思うが、それを一見否定する構えをとったわけである。

 

慶長年間(1596~1615)の『文選』。右ページ中ほどに「帰田賦」の文字が見える
(出典:国立公文書館デジタルアーカイブ)

 

 一方、万葉集のなかから、あえてこうした部分を選んだところから、裏側の意図を様々に想像すること、仮説を立ててみることができる。見聞きしたもの、思いついたものなどを、さしあたり可能性の高低はわきへ置いて列挙してみよう。

 

 まず、従来のきわめて長い伝統を完全に廃棄することには踏み切れず、ある意味では従来通りの古典に(も)依拠したと説明できるように配慮がなされた、という考え方が出ている。ついで、日本は常に外国の文明・文化の摂取・消化に絶えず努力してきた、という歴史観を改めて打ち出した、という見方もあろう。典拠となった個所は天平2(730)年で、聖武天皇らが国際化に非常に尽力した時代とのイメージが、正倉院の文物や井上靖『天平の甍』などによって広く定着していると思われ、特に外国との窓口であった太宰府が舞台であることからも、こうした想像が可能である。逆に、文字自体が大陸由来なのであるから、列島の文献をさかのぼっていけば、古いほどに大陸の影響が濃いのは自明であり、単に列島で作られた古い書物にこだわっただけ、とも考えられよう。

 

 「日本の古典」という観点から考えてみると、『万葉集』はたびたび称揚された時代があるものの、『古今集』や『源氏物語』と比べると、絶えることなく広く愛好されてきた、とは理解されていないのではないか。「日本の伝統」の中核としてより古い時代を選びとる立場が、また記紀でないところから、政治性を前面に出さない姿勢が感じ取れる。

 

 また「令」という字を、史上はじめて用いたのであるから、その採用には強い意図が働いているとみるのも説得力があろう。じつは改元とこの字のかかわりは深く、干支が甲子にあたる年を「革令」といい、大変動が起こりがちと考えて改元するという習慣が十世紀からあり、幕末まで長く続いていた。これを念頭に、変革の意を込めているという考え方があろう(ちなみに今年は己亥である)。また先例をさがすと、幕末に「令徳」という元号案があり、徳川家に命令する意として幕府に忌避されたという逸話がすぐ想起されるから、この字の意図を勘ぐる立場が出てくるのも自然であろう。典拠の文脈では「よい」「めでたい」くらいの意味であるものの、令嬢・令息・令名のような用例は多くの日本語話者にとってほぼ死語になりつつあると思われるが、選定者周辺の認識はどのようであったか。

 

 さて、あまりに取りとめもなく列挙しすぎて、読者の皆さまはうんざりされたかもしれない。ほかにも様々な意見が、メディア上に氾濫している。これらのうちどれが、元号を選定した者、発案した者、候補を絞った者の意図に近いのだろうか。

 

 学問のオーソドックスな方法として、まずこうした仮説を多様に立てたうえで、信頼できる根拠を十分に集めて検討し、可能性を絞り込んでゆきたいのだが、現在進行中のことすべてと同様に、いま発表されている情報はあまりにも部分的である。制定に携わった機関や人々の関係文書が長く保存され、いつか広く公開に供されることが、非常に重要である。それに基づいて、何が起こっていたのかが多角的に検討され、明らかにされることが望まれる。

 

 さて、この元号が広く用いられること、また元号・天皇や『万葉集』、日本の歴史が多くの人々の意識にのぼったことで、どのような効果があるのだろうか? この点は、この元号を用いる書類に触れながら生きてゆく、一人ひとりの課題となってゆくであろう。

 

村和明准教授(むら・かずあき)(人文社会系研究科)
 2010年人文社会系研究科博士課程修了。博士(文学)。三井文庫主任研究員などを経て、2018年より現職。

【五月祭おすすめ企画①】疲れた体を癒す 果実のような風味

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疲れた体を癒す   果実のような風味 Nomm. Coffee Hongo

東京大学珈琲同好会

@法文1号館213教室

両日全時間帯

 

コワーキングスペース「Lab-Cafe」でケータリングを行なった

 

 模擬店や来場者の熱気があふれる五月祭。コーヒーで喉を潤しながら巡っている人もいるはずだ。しかしその奥深さはあまり知られていないかもしれない。

 

 珈琲同好会が企画する「Nomm.Coffee(ノムコーヒー)Hongo」は、入れ方や豆の種類など細部までこだわったコーヒーを提供。代表の大野康晴さん(養・3年)は「定評のある神保町のロースター、グリッチコーヒー&ロースターズから高品質な豆を卸売りしてもらいます」と意気込む。「コーヒー豆本来の味を引き出すことを重視」し、主に焙煎(ばいせん)時間が短い浅いりから中いりの豆を使う。「苦くなくベリーやオレンジのような風味が楽しめると思います」と大野さん。レシピも繊細で、アイスコーヒーの場合氷が解けて薄くなる分を考慮して、ホットよりも濃く入れる。

 

 メンバーの中にはコーヒーを入れた経験があまりない人もいて、全員が一定の質で入れられるようにするのに苦労した。技術の向上には、継続的にコーヒーを入れる必要がある。「入れる人の技術によって味が変わるので職人的なところがあります」

 

 珈琲同好会は今年2 月に立ち上がったばかり。コーヒー好きの友人と共に「コーヒーカルチャーを発信する」との理念の下活動する。飲むことに関心がある人にはカフェ巡りに参加してもらい、ドリップの腕を磨きたい人には勉強会を開くなど、幅広いニーズに応えている。

 

 五月祭の喧騒(けんそう)から離れてほっとできる空間を目指し、コーヒースタンドのようなおしゃれな内装にするつもりだという。「東大をコーヒーカルチャーを発信する拠点にしたい。一人でも多くの人に味わってほしいです」

【五月祭おすすめ企画②】100人規模の演奏で 会場に一体感を生む

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100人規模の演奏で会場に一体感を生む ブラアカ第25回五月祭演奏会

東京大学ブラスアカデミー

@安田講堂

18日午後445分開場午後55分〜6

 

過去の五月祭でも、迫力ある演奏で観客の心をつかんだ

 

 観客を引き込む壮大な音色。100人規模の大人数ながら呼吸の合った繊細な旋律。そんな本格的な音楽を五月祭で奏でるのが「ブラアカ」ことブラスアカデミーだ。

 

 今回の演奏会で披露するのは4曲。全曲五月祭のために新しく選び、3月ごろから練習を開始した。オペラ曲として有名な「カヴァレリア・ルスティカーナ」の他、吹奏楽曲にあまりなじみのない人のためにポップスとして映画「ハウルの動く城」からの楽曲にも挑戦。主体となる2 3年生だけでなく、入団したばかりの新入生も演奏に加わり、フレッシュさを兼ね備えた演奏に期待だ。

 

 他の吹奏楽系団体と異なる点は「全員東大生で、すべての運営を学生主体で行なっていること」と、正指揮者を務める朝倉和宏さん(工・3 年)は語る。東大外部の人が指揮者として含まれる他団体と異なり「空き時間にすぐに集まって練習できる」ことが長所だ。毎年一般のコンクールに参加していることもブラアカならではだという。「演奏の質が外部の審査員にも評価されるように日々励んでいます」

 

 普段は駒場で活動。パートごとの練習は空き時間などで行い、週3回の全体練習で合奏をする。年2回の合宿で朝から晩まで練習するところからも、音楽に対する情熱がうかがえる。

 

 演奏で苦労することは「大勢の人を時間通りに動かすこと」と正責任者の正垣那奈美さん(理I・2年)。朝倉さんも「曲のタイミングを合わせるのは難しい」とこぼす。それでも、たった1回の演奏のために2カ月も前から準備をしてきた。「演奏を通して来場者と一体感を生み出し、音楽の楽しみを共有できたら」と、朝倉さんは意気込んだ。

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